甘草

甘草とはリコリスとも知られていて、一度は洋菓子や洋酒で味わった人は多いと思います。その他にも医療効果が高い為、現代の医療薬や、古代アーユルヴェーダ療法に於いて、様々な症状の治療薬としても使用されています。アーユルヴェーダ療法では、ヴァータとピッタのドーシャのバランスを整える作用があると言われており、呼吸器系と消化器系の不具合に最も効果があります。咳や痰予防、呼吸器官の炎症治療に有効で、少量を摂取する事で食欲を抑える作用もあります。その他、抗酸化作用、抗糖尿作用、メタボリック症候群の治療、肝臓の健康の健康を維持する効果もあります。

胃腸

甘草に含まれるグリチルリチンという甘味の有る物質は複数の薬効があり、消化管の炎症を抑制する作用があるので、胸焼け、慢性胃炎、消化性潰瘍、その他の胃の症状および消化器系に関連する疾患の予防に効果的です。

高塩酸症(Hyperchlohydria )とは胃酸が余分に分泌されている状態で、胸焼け、胃酸過多を起こす原因となります。特に胃食道逆流症(GERD)などの胃腸疾患の病歴がある方には危険な状態に陥る可能性があります。甘草の制酸剤作用には胃内塩酸の分泌を抑制し、上記の症状を和らげる効果があります。

多くの研究によると、胃腸内の炎症と消化性潰瘍の治療に非常に効果的だと証明されています。炎症を抑える事で、鎮痛剤の副作用による胃潰瘍のリスクが減少されます。その他、甘草は胃粘膜を正常化する作用があり、十二指腸潰瘍などの治療にも効果的です。

甘草は、お茶やマウスウォッシュという形で使用すると、口内炎の治療効果があります。1日で約50%から70%の痛みが改善され、3日間の使用でほとんど症状が完治します。さらに、口内炎の範囲を縮小する作用もあります。

甘草の根にはグラブリジンという化合物があり、潰瘍性大腸炎の症状を抑制する作用があります。腸内の潰瘍を抑え、回復が早くなる効果があります。

呼吸器

甘草は喉の痛み、咳、気管支炎の治療に効果的です。痰の分泌を抑制し、鼻詰まりや咳を抑える作用があり、甘草の抗菌作用により上気道の細菌による感染を防ぎます。その去痰薬作用および気管支拡張薬作用の特性は、慢性およびアレルギー性喘息の影響を軽減することもできます。研究の結果、慢性喘息の実験用ネズミに甘草の有効成分であるグリチルリチンを投与すると、実験用ネズミの肺の慢性組織病理学的変化が全て改善されることが証明されています。すなわち、グリチルリチンが喘息の管理に有効な薬剤であることが提示されています。 ヒト胎児肺線維芽細胞の試験管試験でも、喘息気道の炎症に関与するエオタキシン-1がグリチルリチンによって阻害されることが提示されています。

抗炎症作用

甘草には消化器の炎症を緩和する効果の他にも、関節炎などの慢性炎症性疾患治療に役立つ作用もあります。甘草が持つ抗酸化作用によりフリーラジカルが回収される事ににより、疼痛や炎症を抑制出来ます。この抗炎症作用は、甘草の一酸化窒素とプロスタグランジンの産生を減少させる効果と、炎症誘発性サイトカインに対する阻害効果との相乗効果によってさらに有効になります。

心血管

研究によると、甘草はヒドロキシメチルグルタリル-CoAシンターゼ活性を抑制し、コレステロール7α-ヒドロキシラーゼ活性を増加させることにより、実験用ネズミの肝臓コレステロールおよびリポタンパク質コレステロールレベル値が大幅に低減されることが証明されています。

甘草の根には、抗アテローム性動脈硬化症作用があるため、心血管系における血清コレステロール値とプラーク形成を減少させることも示されています。 高コレステロール血症の患者を調査した研究の結果、甘草の消費が血漿LDLの酸化に対する耐性を55%、凝集を28%、保持を25%増加させ、これらすべてが動脈硬化(動脈における脂肪性プラークの形成を促進する)に効果的であることが示されています。 患者の酸化に対する血漿感受性も19%低下し、全体的な血漿コレステロール値の低下が確認されています。それによって根抽出物が心血管疾患予防に効果的であることが証明されています。

軟膏として利用すると、甘草(ペースト、オイル、ゲル)は、湿疹や、皮膚炎、そう痒、嚢胞などの皮膚疾患に対して効果的です。伝統的に甘草を原料とする軟膏は、色素脱失対策や皮膚の発疹を和らげるために使用されています。

甘草とアンマロクを組み合わせて利用する事で、肌の吹き出物、シミ及び肌のくすみを軽減することが出来ます。さらにシミよりもニキビの治療に効果があり、特にピッタドーシャのバランスが悪い方にお勧めです。

アンバランスなピッタとヴァータドーシャを持つ人は、脱毛や白髪が早まってしまう傾向があります。それには伝統的にアーユルヴェーダでは甘草を使用して、上記2つのドーシャバランスの向上効果をもちいて脱毛を防ぐ事が出来ます。

免疫

研究によると、甘草を定期的に摂取すると、マクロファージ(白血球の1種)とリンパ球の産生の製造が増加される為、免疫力が高まると言われています。その2種類の細胞は、微生物、汚染物質、アレルゲン、および自己免疫疾患を引き起こす細胞などの外来病原体から体を保護するのに役立つ為、免疫系にとっては非常に重要な細胞です。さらに、甘草の根に含まれる酵素もこの効果があります。一部の研究では、その免疫系増強特性のため、産業動物用の抗生物質としての代替品にもなります。



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